政府の発表した政策について、発表した「理由」「前文」ではなく
「実際の刑罰規定」や「政策決定の背景」を考慮して、いわば「裏を読む」ことにする。
(なんかルーマン・ハバーマス論争がちらついてくるがオッカムのカミソリで強引に切り落とす)
基本的に、事犯数の統計データは政府発表のものを使用。
各ドラッグの有用性/害性についてのデータは、WHOや国家の発表したデータでさえ
政治的圧力が予想されるため、参考程度にとどめる。
2008年4月5日土曜日
現在の日本における薬物政策の問題点
- 「治療」メソッドの不足 - 薬物使用者が「犯罪者」であり「病気」ではないとされ、適切な治療が受けられず、再犯率が高い
- 「予防」メソッドの不足 - 厚生労働省外郭団体『ダメ・ゼッタイ』の説得力のなさ、およびインターネットでの薬物情報の氾濫に対する対策が出来ていない
- 「ケア」メソッドの不足 - 現在使用中の人間に対して「害」を有効に伝達する手段が存在していない
- (大麻に限る)「医療目的/産業目的での実質的使用不可」 - 喫煙者の増大に伴うものであるが、医療大麻については、外国で有効であれば治験して採用するべきであるし(カンナビノイドを抽出or合成したものが望ましい)、麻繊維は資源としてある程度有効である(無害-THCを含まないことが条件)。
医療目的/産業目的での大麻草の使用は考慮されるべきである。
ただ、このメソッドを達成したとしても、大麻などの「オープン化」につながるわけではない。
ハームリダクションの観点から言えば(考察編)
「ハームリダクション」の観点から「部分開放型政策」を選択するべきか、というのは
その国における薬物汚染(10万人あたりの使用数)が一定以上でなければならない、と考える。
なぜなら、部分開放型政策がハームリダクションの観点から有効であるためには
薬物事例が致命的なほどに多くなければならないからである。
部分開放によって、解放された「ソフト」ドラッグにユーザーが流入し、「害」を減少させることを目的としている以上、ある程度の「ハード」ドラッグのユーザーが社会的害を及ぼしていることが前提である。
今の日本はどうか。
どうやら、その水準には達していないようである。
ただ、MDMAが末端では摘発されていないという未確認の情報がある。
その国における薬物汚染(10万人あたりの使用数)が一定以上でなければならない、と考える。
なぜなら、部分開放型政策がハームリダクションの観点から有効であるためには
薬物事例が致命的なほどに多くなければならないからである。
部分開放によって、解放された「ソフト」ドラッグにユーザーが流入し、「害」を減少させることを目的としている以上、ある程度の「ハード」ドラッグのユーザーが社会的害を及ぼしていることが前提である。
今の日本はどうか。
どうやら、その水準には達していないようである。
ただ、MDMAが末端では摘発されていないという未確認の情報がある。
ハームリダクションの観点から言えば(データ編)
現在の日本において大麻の「オープン化」でハームリダクションが得られるとは思わない。
そのためのデータを示す。
薬物犯罪の検挙数。
S63(1988)年 検挙件数29,777 検挙人員20,339人
H17(2005)年 検挙件数19,999 検挙人員13,346人
H18(2006)年 検挙件数17,226 検挙人員11,606人
H19(2007)年 検挙件数16.929 検挙人員12,010人
(各年度の警察白書から抜粋)
H17-19で件数が減っている。
平成3年警察白書より 薬物事例の人口10万人あたりの比率
S54年(1979年) 日本16.9人 フランス19.5人 イギリス28.7人
H01年(1989年) 日本14.9人 フランス59.7人 イギリス91.9人
http://www.npa.go.jp/hakusyo/h03/h030105.html
新しい『薬物事例の人口10万人あたりの比率』が警察白書で出てませんのでご容赦を。
ちなみにアメリカとの比較で、イギリス、フランスは載ってないのですが
1997年で薬物事犯発生率が日本23.9に対しアメリカ591.0です。
(平成11年版犯罪白書のあらまし より 2次データですが
http://homepage1.nifty.com/hharai/gyoseki/00report_10000_comparison_hawaii&kyushu.htm )
ハームリダクションが必要なほど、薬物は浸透していない、と私はこれらのデータから主張します。
平成19年度警察白書より
H18(2006)年 覚醒剤事犯 検挙件数17,226 検挙人員11,606人
同 大麻事犯 検挙件数 3,252 検挙人員 2,288人
同 麻薬/向 検挙件数 1,154 検挙人数 504人
同 あへん 検挙件数 31 検挙人数 12人
http://www.npa.go.jp/hakusyo/h18/3shou/3-4.pdf
そのためのデータを示す。
薬物犯罪の検挙数。
S63(1988)年 検挙件数29,777 検挙人員20,339人
H17(2005)年 検挙件数19,999 検挙人員13,346人
H18(2006)年 検挙件数17,226 検挙人員11,606人
H19(2007)年 検挙件数16.929 検挙人員12,010人
(各年度の警察白書から抜粋)
H17-19で件数が減っている。
平成3年警察白書より 薬物事例の人口10万人あたりの比率
S54年(1979年) 日本16.9人 フランス19.5人 イギリス28.7人
H01年(1989年) 日本14.9人 フランス59.7人 イギリス91.9人
http://
新しい『薬物事例の人口10万人あたりの比率』が警察白書で出てませんのでご容赦を。
ちなみにアメリカとの比較で、イギリス、フランスは載ってないのですが
1997年で薬物事犯発生率が日本23.9に対しアメリカ591.0です。
(平成11年版犯罪白書のあらまし より 2次データですが
http://
ハームリダクションが必要なほど、薬物は浸透していない、と私はこれらのデータから主張します。
平成19年度警察白書より
H18(2006)年 覚醒剤事犯 検挙件数17,226 検挙人員11,606人
同 大麻事犯 検挙件数 3,252 検挙人員 2,288人
同 麻薬/向 検挙件数 1,154 検挙人数 504人
同 あへん 検挙件数 31 検挙人数 12人
http://
言語の定義
用語を定義する。
「オープン化」とは、非罰化、罪刑軽減化、非犯罪化、などの「大麻取締法の罪刑を軽減する」全てのことを指す。
「ハームリダクション」は、
オランダの薬物政策より抜粋
「部分開放型政策」は
現在オランダ/イギリスなどで行われている、大麻などの比較的害の少ないドラッグの所持を科料などの軽い刑に処す政策を意味する。
「ゼロ寛容政策」は
現在日本/シンガポールなどで行われている、ドラッグ全てを厳罰(懲役以上)の刑に処す政策を意味する。
「オープン化」とは、非罰化、罪刑軽減化、非犯罪化、などの「大麻取締法の罪刑を軽減する」全てのことを指す。
「ハームリダクション」は、
オランダの薬物政策より抜粋
オランダにおいては,ハームリダクションとは,薬物使用の結果として個人及びコミュニティの双方に起きる害を具体的に削減することに的を絞ったプログラムや政策を指す言葉です。この言葉には,薬物合法化についての議論に関係するものはありません。と定義する。この語が単体で使用されるとき、薬物合法化を意味しない。
「部分開放型政策」は
現在オランダ/イギリスなどで行われている、大麻などの比較的害の少ないドラッグの所持を科料などの軽い刑に処す政策を意味する。
「ゼロ寛容政策」は
現在日本/シンガポールなどで行われている、ドラッグ全てを厳罰(懲役以上)の刑に処す政策を意味する。
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