2008年5月9日金曜日

続報というか誤りの訂正 to 「政策は雄弁に語ってくれる」

 どうやら『政策は雄弁に語ってくれる』は正しくないようです。
 こちらやmixiせれさんの指摘を受け、元ソースを見直してみると、イギリスにおける薬物に関する諮問委員会は社会学的にも、医学的にもClass-Cが妥当だとしているのに、首相や内閣は倫理的な問題に訴えて(情に訴えるポピュリズム的戦略、とせれさんの指摘)票を獲得しようと目論んでいる、らしいです(キリスト教右派ぐらいしか取り込めず、イギリスにおける現状について認識している人は反対の模様ですが)。

 さて。
 倫理的基準(宗教や国民性の影響を受けます)もドラッグ汚染の度合いもドラッグ教育の度合いも異なる日本において、ACMDやthe Advisory Council の「社会学的」なアドバイス(据え置き)を引用して、
これをそのまま大麻解禁論に祭り上げるのは無理があります。

 が、 『政策は雄弁に語ってくれる』で発したメッセージは誤りの可能性が高いようです。

2008年5月8日木曜日

大麻規制反対派に見られる傾向

  • 身体的な無害性を強調する
  • 文化が想定していない酩酊による社会的ハーム(苦痛)を軽視あるいは無視している
  • オランダあるいはイギリス、カリフォルニア等の地域を「先進的」とし、これらの国家・地域がなぜそのような政策を採用するに至ったかについては言及しない
  • 「人権」というのは喫煙する権利であると考えている
  • 「世界の流れ」という用語を使い、ハードドラッグ蔓延への対策である部分的開放という側面を無視している

(私は、個人的には大麻そのものの身体的な害は容認できるレベルであると考えている ex:イスラム圏)

政策は雄弁に語ってくれる

私たちは、個人的に利用する大麻を合法化・制度化しても社会的悪影響はないと主張しているので、ないと言っているものを出せと言われても。だから、あなたが突付いている重箱の隅には何もないですよ、と言ったのです。

こんなことを言われてたらどう返せばいいんだろう、
社会的悪影響について一から説明すると膨大な数になるぞ、と思っていたのですが。
結局有効な反論は提示できなかったわけですが。

イギリスが証明してくれました。
イギリスでは大麻をClass Cに変更して刑罰を軽減したのですが、どうもハームリダクション(本来の意味での)の観点から望ましくない、と政策的に決定されつつあるようですねえ。
The home secretary = 定冠詞ついているから「内務大臣」らしいです。

Her statement to MPs came despite the Advisory Council on the Misuse of Drugs' review - commissioned by Gordon Brown - saying it should stay class C.
ドラッグ乱用の諮問機関(Advisory Council on the Misuse of Drugs)はclass Cのままにしておくべき、としているにもかかわらず…でしょうか?

2008年4月23日水曜日

人権の定義…少し気になったこと

こちらで述べられている人権の定義で少し気になったことが。
大麻を吸う自由、大麻を吸わない自由。
ひとりひとりが自分で決めればいいこと。
酒もタバコも同じ。
大麻を吸う自由を懲役刑という厳罰で規制するのは、
個人の自由を国家権力が侵害しているということ。
懲役刑は、自由の著しい侵害であり、人権の侵害。
ヘロイン、モルヒネ、阿片、覚醒剤、元合法ケミカル、マジックマッシュルーム、MDMA、ケタミン…それらを除外する積極的理由が見当たらないのはなぜでしょうか…
除外していないとしても、同じことが上記ハードドラッグにも言えますよね:-P

2008年4月22日火曜日

しらさんへの連絡。

FC2もblogランキングも私企業なのですから、トラブルを避けるのは当然です。
FC2利用規約より抜粋。
■禁止行為について
1、法令に抵触する内容、及び画像、記事、音楽、ソフトウェアなどの著作権侵害する行為、および違法な行為を勧誘または助長する行為。
9、禁止行為に該当する恐れがある行為
11、その他、当サイトが、合理的な理由に基づき不適切と判断する行為

このあたりに該当している、と判断されたのでは?
もし、大麻関連の情報サイトは拒否するといったことが、有害情報のフィルタリング強化の流れで行われているのだとすれば、言論の自由、表現の自由、思想と良心の自由に対する抑圧です。

考えすぎ、としかいいようがありません。
言論の自由、表現の自由、思想と良心の自由は存在しますが、同時に私企業がトラブルを回避する自由も存在しますし、
無料レンタルサービスにおいてasayakeドメインからのメールを拒否したからと言っても、それが直ちに上記3自由を侵害するわけでもないでしょう。
単純に一企業の自己防衛に過ぎないことを、指摘させていただきます。

ちなみにご存知でしょうけど、やまのブログ の方は、Yahoo!Blogで活動してらしたそうですが、
突然通告なしの削除をされたそうです。

大麻解禁(オープン化)のデメリットについて 下書きレベル

風邪ぽいので下書きレベル。

人間社会において、何らかのストレス・リダクション・ツールとしての、酩酊物質は必要である。

日本や欧米ではアルコールが、イスラム教圏ではコーランによって酒が禁止されているため大麻がその役割を果たしている。

日本や欧米におけるアルコール、イスラム教圏における大麻は『文化』によって、その存在が万人に認知され、制度化されている。

しかし欧米や日本における(アルコールが歴史的に使用されている)国において、大麻という酩酊物質を扱う『ノウハウ』がないため、何らかの『法的制度』をもって規制もしくは部分的な開放をしなければならない。
部分的な開放(オープン化)をする際、文化的ノウハウがないため、(無知から来るにしても)酩酊そのものが社会的な害悪とみなされ、隔離もしくは罰金などのリスクを設けることが必要である。
大麻のオープン化をする原因は(政府の発表がどうであれ、『人口10万人あたりの薬物事犯数』などを参照すれば理解できる)、他のハードドラッグ蔓延に対する防波堤、ということが多い。

日本において、少なくとも『人口10万人あたりの薬物事犯数』はそのレベルに達していないし、
薬物事犯者に対して『懲罰モデル』のみで対処していて『治療』というメソッドが存在しないこと、
(オランダ薬物政策は『予防・治療・害の削減』で構成されている)
日本の薬物事例では覚醒剤の占める役割が大多数であることから、
大麻のオープン化が、国民に与える影響は害のほうが大きいと考えられる。
(どの程度のオープン化が妥当か、という問題はあるが、それは合法化主張側から提出されなければならない。単純所持・栽培を許可したとして、流通はどうなるのか、等の問題が出てくる。)

せれさんへの回答:
Q
  1. ルシティアさんに見えている「大麻解禁のデメリット」というのを具体的に教えて下さい。
  2. 「大麻解禁」が社会的に悪影響を及ぼすというデータを示して下さい。
A
  1. 上記に記したとおり、『文化によって未知の酩酊状態』が及ぼす社会的悪影響。つまり、この文脈においてイスラム圏における大麻使用は問題なし、といえる
  2. 文化圏に依存するため、定量的・定性的データは存在しないが、オランダにおいても『大麻栽培を助長するあらゆる物の販売を禁止する方向』 『2000年に政府は大麻の自家栽培、外国からの輸入、違法な小売り、青少年に対する大麻製品の販売を厳しく規制』という方策を打ち出している。従って、少なくともアルコールが酩酊物質として定着し、大麻に対する知識が民間レベルで存在しない場合、大麻の酩酊そのものが害をもたらす、と考えられる。
まぁ2.はかなり弱いと思うけどね。

というわけでぬくくして寝ます

2008年4月19日土曜日

やっぱり見えていない

しらさんのほうが愛想をつかしたようですが。
「全体への影響」を無視も軽視もしていません。

大麻解禁に伴うデメリットという影響は無視なのでしょうか。
それとも『大麻の酩酊は、社会的に許容できないような性質のものではないことを論証しています。』なのでしょうか。それはどこで?それならはじめからそう書けばいいのでは?

まぁ、揚げ足取りですがルシティアさんへの公開書簡(2008/4/18)では『医学的』とのみ表記していて、
何もない重箱の隅(2008/4/19)では『医学的・社会学的な事実』と表記されている。

で、社会学的な研究(新たな酩酊をもたらす大麻が、医学的に無害であるかどうかにかかわらず、
 社会的に悪影響を及ぼすかどうか)のデータがそちらに見当たらないのですが。
全て「医療」レベルの話でしかないように思います。

あたりまえですが、社会的影響を考察することなくして、大麻解禁論を語ることは
砂上の楼閣でしかないです。